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2019.09.06

補陀洛渡海

9月6日(金)旅は道連れ・・・②

P1160392


春夏秋冬、なんとなく平凡な日々を過ごし、知らぬ間に歳を重ねる。
兄弟というのは幼い頃から同じだけ歳を積み重ねてるから、二才上の兄との距離はそのままなので、その年の差はどこまで行ってもそのままだが、果たしてお互いにあと何年生きられるのか・・・と、ふと考えてしまう歳になった。

旅の目的地の一つが「補陀洛山寺」だったが幾つかあった名所の中では際立った寺でもない。
小さな寺で本堂の横にこれまた小さな木船がある。
補陀洛渡海船(レプリカだと思う)というもので、補陀洛とは極楽浄土を意味し、そこへ行く渡海船がこれ。
ただし、これはこの寺の歴代の住職が入船したあと、しっかり釘打ちされ、そのまま沖へと曳航されたあとは、風のまま波のままなので、いわば即身成仏の船であった。

この「補陀洛渡海」を知ったのは浅田次郎編集の「見上げれば星は天に満ちてー心に残る物語」に収録されていた井上靖の「補陀落渡海記」という小説からだった。
仏教徒である僧侶、この寺の住職は何年か勤め上げた後に、補陀洛渡海船に乗って極楽浄土を目指す習わしだったが、そこは生身の人間のこと、様々な葛藤や悟りやはたまた諦めや・・・人間界からの死への旅立ちの話。

小説に登場するこうした場所や建造物などを、確認するように行ってみる。その逆に、そこを訪ねて知る「小説登場した舞台」。
どちらにしても、面白いもので、よく知られた社寺とは一味違う、小さな寺に伝わる補陀洛渡海の歴史に、なんとなく納得するのである。
この補陀洛山寺は、小説を読み終えてから、ぜひ一度は行ってみたいお寺だったので、今回の旅はここだけでも自分には意味があった。
小説と結びつく旅というのも楽しいものである。

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コメント

小説から旅というケースもあるんですね。僕の場合は絵を見るのあ中心になります。

投稿: マミケン | 2019.09.08 06:37

近くにあるお寺が、ものすごく名の知れた寺というわけでもないのですが、杉本苑子さんという作家のエッセイに登場して、そういう文章を見つけて、面白いと思うのですが、東京や京都や名所がたくさんある地域とはまた趣きの異なるのが地方都市のおもしろさだと思っています。
「名古屋散歩」もそういう面白さに惹かれたのかも、けっこう図書館本に見つけたときの喜びもひとしおですね。

投稿: ちょっと一休み | 2019.09.14 22:09

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