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2017.02.06

努力はしたけれど・・・

2月6日(月) 日記

「努力は必ず報われる」、「諦めなければ夢は叶う」。なんともまあ健気な言葉だと思うが、報われ叶う場合もあれば、そうじゃない場合もある。

自分などは「為せば成る、為さねば成らぬ何事も」というほうが親近感を持つ。もっとも前段の「為せば成る」ではなくて、「為さねばならぬ何事も」という後段のほうに、より真実味があると思う。

30分という時間の話をするために、資料本を取り寄せ大枚1500円ほど出費したり、古い新聞を探し出し切り抜きを作ったり、はてはインターネットの関連資料を収集したりして、そうして10時間以上は、このたかだか30分という時間の骨子を「話ことば」に置き換えて、準備をした。

10時間以上、パソコンの前で格闘したうちの3分の1が、まったく骨折り損だったのは、誰しも経験する保存忘れによる、一瞬の原稿の喪失・・・
泣いても喚いても消えたものは戻ってこないので、やっぱり泣く泣く一から作り直しの羽目になったが、その日の夜は愚かな右指一本を恨んで、なかなか寝付けなかった。

しかし30分という時間のために、ここ一週間は胃の中に何か消化しきれない異物を持ち続けたような日々だった。人間の器の大小というのは、こういうところにも表れるので、小物は小物らしく努力だけは惜しんではならない、曰く「為さねな成らぬ何事も」である。

しかし、努力が報われたかとなると、そうとも思われないというのが世の常だと思う。
十分に話の構成をたてたはずだが、いつしか暴走して常日頃の思いと主張ばかりが拡大再生産してしまう。

伝わるものも伝わらなかっただろうと思うと、受講する50人ほどの面々の一人として椅子に席するほうがむしろ妥当なのに、K氏とかI氏らに無理やり引っ張り出されたことに苦言の一つもという心境になる。

教壇に立つように流暢に話ができる人や自信たっぷりに人に言い聞かせることができる人にとっては、水を得た魚のように意気揚々となるものなのだろう。そうしたことの背景には人知れずコツコツと努力した気配はうかがえる。

ともかく努力はしたということで胃の腑のつかえも降りたが、さして上手くもない話に頭をひねりながら聞いてた人の方が、その何倍も考える努力をしたに違いない。

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コメント

漫画家水木しげる氏は「努力は報われないことを知れ」と言っていた。「人間なまけ者になりなさい」とも言っていた。彼は少年時代「寝るのが大好き」で1時間目は「必ず遅刻し」「算数は0点」だった。軍隊では「殴られる毎日」だった。

「朝は寝床でぐ~~ぐ~~~ぐ~~」テレビアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」の主題歌は売れっ子になってしまった「水木の願望」でもあったのだ!!!

投稿: マミケン | 2017.02.08 16:53

ははは、水木さんは、モグラが地を這うように生きて来た40才までは、ゲーテの「常に努めて怠らぬ者は必ず救われる」という言葉に不信感をもっていたと書いてます。(人生と努力)
が、40を超えて貯金もたまり努力と工夫と練達で力がついてきたことを感じて、今まで不信感を持っていたゲーテの言葉はまんざらウソでもないなと今になって感じていると続けて言ってますよ。
数冊読んだだけですが、なかなか文学的なエッセイでした。
私などは「己のためだけの努力」を惜しまない現代人への水木さん独特のヒューマニティに溢れた示唆だと思っています。

投稿: ちょっと一休み | 2017.02.08 19:02

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