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2013.10.09

あかね雲

10月9日(水) ちょっと一枚

001

 デジカメを持ち歩いて、ふ~んこの風景はいいなぁと思うと撮っている。
 いいなぁ~と思う構図はいつもよく似ているので、こういう心境とは何ぞやと自分に問うてみても、あまりはっきりした答は返ってこないものだ。

 都会のなかにも古びた木造のアパートがある。
 戦後に建てられたものが多いが当時の長屋アパートで、さしずめ手塚治虫のトキワ荘的雰囲気といえる。
 その路地も狭くて砂利道になっている。

 先日、テレビでヨーロッパの煉瓦造りの街が映し出されていた。
 歴史を感じさせるブロック造りの建物は趣があるものだと思うが、日本的に言えば木造長屋のアパートなんだろう。
 歴史の長さも見事な建築美も、日本の木造アパートは太刀打ちできないと思うが、戦災で焼け野原になり貧困な住宅事情を解消すべく建てられたであろう、日本の長屋アパート。

 昭和という時代を思いおこす風景で、僕らが経験した一つの時代の文化であった。
 わずか四畳半とか六畳の狭い部屋で、夕食を食べ、テレビを見て、布団を敷きつめて寝たものである。

 そういう人の暮らしや営みがあった木造長屋アパートも、もう経済発展著しい文明国日本には、きっと「おじゃま虫」となって、解体されどんどんと立派な住宅へと変わっている。

 住宅のむこうに夕日が落ちようとしていた。
 そのあかね雲が、とてもきれいに映えていた。
 「夕焼け」といえば少しノスタルジックなものだし、「斜陽」といえばせつなさのようでもある。

 どちらにしてもたかが街角、されども街角という風景だった。

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