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2013.02.28

哀しき風景

2月28日(木) 名古屋南方貨物線の形跡

 旧国鉄時代の鉄道が廃線となって撤去されたり放置されたりしてる風景は全国にもたくさんあるのだろうなぁ。
 基幹産業が鉄道輸送から貨物自動車輸送に取って代わり、民営化も手伝い「過ってあった鉄道」の形跡は、ある種の「鉄好き」な鉄道ファンには興味が大きいのかも知れない。

 僕は鉄道ファンでもないから、国策として石炭から石油へとエネルギーの転換が図られた結果として、線路がどんどん廃止されていった、ある意味スクラップ&ビルドの遺物でしかないと思っている。
 そう考えると、人が「経済成長」という名目で、無計画に膨大な税金をつぎ込んできた時代の風景は、興味深さよりも何だか哀しい風景に思われてならない。

 という思いを20年ほど前に名古屋市の港区方面に転勤したとき、途中で途切れた橋脚を見ながら抱いたものだった。

 先日、たまたまテレビでこの名古屋南方貨物線を取り上げた番組を見ていて、そういえばあったなぁと。
 列車が走っていた路線を廃止するのが「廃線」ならば、こういう日の目を見ることなく建設中止となったものを「未成線」というそうだ。

 大規模な建築物であればあるほど、その姿は人間の欲望の残骸のようなものであり、なにも鉄道に限らず、廃墟となったリゾートホテルや中断された橋、不自然な人も車も通らない道路・・・
 福島原発の無残な姿だって、「安全神話」をまきちらしてきた結果でしかないから、「成長」とか「発展」といったものが、いかに金儲け主義によるものかがよくわかる。

 安心して暮らせるとか安全に暮らせるとか「おたがいさま」という日本の美しい風景は、いったいどこに行ったのだろうと思う。
 
 というわけで、今日は障がい者の親の話し合いで使うDVDをセットするために自転車でキコキコと出かけた。
 暖かいので、ダウンなどを着込むと汗がでるほどだった。

Photo
【正徳公園付近のとり残された橋脚、ここからカーブして東に・・・】

 名古屋臨海高速鉄道あおなみ線に沿って、中島駅の南あたりに南方貨物線の放置された橋脚の一部がある。
 不自然なコンクリートの塊でしかないが、ここから東にカーブして愛知県武道館の北側から笠寺駅方面へと、もはや途切れて、高架貨物鉄道とは言い難い痛々しい面影が続く。

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【名古屋環状線道路で寸断された橋脚と愛知県武道館(右)】


 途中に過ってのプラットホーム(?)らしき形跡も残っていたが、これはテレビでも紹介されていた。

Photo_2
【たしかにプラットホームの名残りだと思うが?】

 こうした風景は1967年に東海道線の輸送力を増加する目的で計画されたが、83年には工事凍結となり、以降30年ほど風雨にさらされ続け、意味も目的も見失って今日まで続いている。
 だから何年も見続けていると、ごくごく普通の風景になってしまっているが、その実は「おかしな」風景なわけで、やはり何かがおかしい。

 鉄道輸送はCO2の排出を少なく、大量輸送も可能で、僕はちっともダメなものだと思わない、ただただ自動車中心の経済への移行の犠牲・・・老いも若きも「人が中心」である社会からどんどん遠ざかっているような気がするが。
 
 
 

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コメント

廃墟は面白い。すべて「兵(つまもの)どもの夢の跡」である。「それは、どんな夢だったか?」。「世界平和?」「世界征服?」・・・どんな廃墟にもあるその「何か」を読みとると面白い。

投稿: マミケン | 2013.03.01 14:16

こういう廃線跡(未成線)もいづれ「見果てぬ夢」の記念物になったりして。
経済競争は生活とは無縁なところでスクラップ&ビルドを繰り返すものだと思います。

投稿: ちょっと一休み | 2013.03.03 23:31

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