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2012.10.11

老いの辛さ

10月11日(木) 老犬を介護する

 高齢者の問題というと、多くは身体的な老化について言われます。
 歳を重ねれば身体の自由がきかなくなり、生活の一つ一つに自分で出来ないことが増えて行きます。
 その身体的な老いと、認知症を別として、脳の働きはけっして体に比例しないものだと思っています。
 いいえ、認知症であっても、忘れてしまうことが増えても、これまで生きてきた記憶と思考力は、体の衰えほどではないと思えるのです。

 辛いのは、その心と体のギャップが介護者への、あるときは申し訳ない気持ちだったり、あるときは理解されない辛さだったり、そういうところにあるのではないかと思っています。

 僕は介護経験はほとんどありません。親の晩年は兄や義姉が介護してくれました。
 だから、経験もない僕がこういうことを言う資格はないかも知れません。
 あるいは、日々を介護に費やしてる方からすれば、介護者の辛さがわかるのか!と言われるかも知れません。

 ただ、自分が老いて体の自由が利かなくなったとき、その不自由さよりも、心とのアンバランスに悩むのではないかと思うからです。
 もちろん介護施設もあるでしょうが、社会のメカニズムは身体が不自由になり、誰かの介護を必要になった瞬間から、もう自分自身の時間や動作の決定サイクルから離れて行くでしょう、まだまだ認識や思考は終わることなく働き続けているのに・・・

 もう、自宅でも病院でも施設でも生きている場所で、こうした問題に慣れて行くしかない・・・ということでしょうか。
 全ての問題を介護を受ける側の立場に立ちきることが出来る社会、それが成熟した高齢化社会だと思うのですが・・・・

 朝、義母宅に行くはずの愛犬ポン太が動こうとしません。
 しかたがないので、アニマルセラピーの仕事は休暇となりましたが、午前中は散歩に連れ出そうとしても嫌がります。

 玄関先の階段の前で座り込んでしまいます、またしても脊髄神経症の再発か?と飼い主は心配するものです。
 無理の連れ出そうとしても抵抗するばかりで、抱き上げて階段を降ろすと、嘘のように元気に歩きだしました。
 夕方の散歩も同じ調子なので、よくよく観察してみると、この踏み面の小さい階段に恐怖心があるようです。
 おそらく白内障のためでしょう、老犬は白内障になりやすいし、先日動物病院でも言われました。
 この階段部分さえクリアすれば、なんとか散歩には出られそうです。

 犬は散歩に行きたいが行けないとは悩まない、ただ階段の段差が見えない恐怖だけでしょう。
 「犬の気持ち」「猫の気持ち」、動物とのコンタクトは、年老いて行くほど必要なことかも知れません。
 しっかりと観察して、身体のどこの機能が弱って行くのか、そういうふうに接して行こうと思うのです。

 人はそうは行きません。身体の機能の低下や病気は言葉で伝えることが出来るでしょう。
 医療や介護も進歩して、そうした対応も十分かどうかは別として、方法はいくつもあるでしょう。
 けれども、それは社会の高齢者福祉・医療という流れのなかに、高齢者が組み込まれることであって、それが自分の意思や願望であることよりも、介護社会または介護者の都合が、まず優先される仕組みでしょう。

 それが現実というものだからしかたがありません。
 しかたがないからこそ、身体と心のギャップに深く心を寄せることが大切だと思うのです。
  
 老犬の介護から高齢者の介護問題を考えた、一つの感想です。

 

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コメント

オヤジさんの老人ホームに行くと、時々思う。オヤジは僕たち子供に「老いとは何か?」を教えてくれているのではないかと。

誰もが年老いてボケるとは考えていない。しかし個人差こそあれ、50歩100歩である。100歳でフルマラソン走る人などいない(いるかもしれないが)のだ!!

だったら、僕らは来るべき「老い」から目を背けず、「オヤジの老い」は「自分の老い」とイコールだと考える。介護は目を背けず、ちゃんと素直な目で見る所から始まると思うのです。

投稿: マミケン | 2012.10.12 15:28

人は間違いなく老いて行きますね。若さは一つの特権だけど、老いもやっぱり特権かも知れないと・・・そういうふうに思える自分になりたいなぁ。
老人問題はいつも介護する社会の側から語られることが多い(介護保険しかり)けれど、本当は老人の側から見つめねばと思うようになりました。
そうすると、身体的な衰えよりも、その時代というか歳をいかに生きるかって問題が見えてきました。
まだまだ時間はありそうなので、ゆっくり考えて行きたいと思うこのごろです。

投稿: ちょっと一休み | 2012.10.12 22:06

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