« 読書記 | トップページ | 誕生日 »

2012.07.03

アイロンがけ

7月3日(火) 家事もまたおもしろきことかな

 ・・・などと言葉にする自分を、以前は想像もできなかった。

 仕事に追われていたころは、たしかに家事は苦痛の種以外の何物でもなかった。
 で、「うちの旦那は何もやらん、あたしゃ飯炊き女か」と嘆いていた友人もいたが、僕は幸か不幸かそういう修羅場まではいかなかった。

 おかげで、この炊事・洗濯・掃除というものを、日課とする日々を送っていると、知らないことが余りにも多い事に気が付き、それが逆に新鮮にも思われるから、いやはや暮らしというものは、ほんとうは面白いのかも知れない。

 最近はアイロンがけに挑戦している。
 ところが、これがまた難しい、カッターシャツはクリーニングのプロには全然及ばないが、そこそこ出来るようになった。

 しかし、立体的に裁断された衣類を平面で仕上げるというのは理屈からしてよくわからない。
 「ああして、こうして・・・」と教えてもらいながら、「ふんふんなるほど」と、子どもじみた納得をする。
 面白いと思うアイロンがけである。

 元来、暮らしなんてものは「面白い」はずである。
 そのはずが、なぜか面白くなく、ある時は義務感のようになったり、追われたり。

 面白ければ、楽しければ、「何とかの手習い」のように、この歳になっても、喜んでやれるものだ。

 おもしろき こともなき世を おもしろく

 と、病床で辞世の句を詠んだのは高杉晋作である。
 いやいや、この維新の志士と比べるわけにはいかないが、人の暮らしの在り様なんて、そんなものかも知れない。
 行動の大小や質の違いを取り除けば、面白くもないこの世を如何にして面白く生きるかということだろう。

 たかだか、アイロンがけである。
 その、「たかだか」の暮らしを、面白くするのも、つまらなくするのも、心意気ひとつだろう。

 僕のように、ともすれば観念の世界にどっぷりはまり込んでしまう性質の輩は、ときどきこうして「暮らし」に目を向けて、つまらぬことにも嬉々とすることが、必要だと思っている。

 面白いことや楽しいことは、暮らしのなかにたくさんあるはずだけど、そういうものが見えなくなるときは、自己喪失感に苛まれる始まり・・・だと思っている。
 テレビで「この仕事、生涯現役です」と80歳を過ぎた飲食店主が言っていた。
 ははは、とても元気な店主だと思いつつ、僕も「生涯現役だ」と思っている。
 だから、おもしろき こともなき世を おもしろく・・・そういう、現役なんだなぁ~。

 本日「竜馬がゆく」読了。 

 

|

« 読書記 | トップページ | 誕生日 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

「おもしろき こともなき世を おもしろく」これが辞世の句だとしたら、すごく若さを感じる句だなぁ・・・生き生きしている人生が感じられます。

投稿: マミケン | 2012.07.06 11:28

吉田松陰29歳斬首、高杉晋作28歳病死、坂本竜馬32歳暗殺・・・と、あらためて歳をみると、信じられないほど、みな若くして死んでますね。
統計でみると明治24年頃の平均寿命は42歳ほどなので、人生とすれば3/4ほど生きたことになりますね。
おもしろく・・・好きな言葉ですね。
自分で何かをやってやろう!という気持ちそのものでしょう。

投稿: ちょっと一休み | 2012.07.07 00:54

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 読書記 | トップページ | 誕生日 »